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M1762●江戸和本●〈四季〉造物趣向種［作物趣向種］*半紙本・明治期後印本

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〈四季〉造物趣向種［作物趣向種］*半紙本・明治期後印本
【判型】半紙本前後2編2冊（明治初年後印）。縦222粍。
【作者】鬼拉亭力丸（キロウテイリキマル）編。五風亭十両序。松川半山（翠栄堂）画。
【年代等】天保8年8月初刊。明治初年後印。［大阪］河内屋太助ほか板。
【備考】分類「諸芸」。造り物とは、元来寺社へ奉納する風流の飾り物としての役割を担っていたが、時代が下るにつれしだいに装飾的な傾向が強まり、また一方では人々の笑いを取ろうとする滑稽なものが増えていった。極端に大きな造り物や、飛びぬけて高価な材料を用いた造り物が現れたが、寺社奉行から禁止令が出たり奢侈禁令に触れたりしたため、造り物はその制作を制限されていった。しかしその制限に屈することなく、今度はごく身近にある生活用品を使って作られるようになり、作られる高尚な主題と俗な生活用具のギャップを楽しむ造り物が主流となった。『造物趣向種』は、当時の狂歌師らの手による滑稽な造り物を集め、その出来を称賛する狂歌を添えて掲載したものである。このように実に丁寧に描かれた図の存在に加え、もっとも注目するべき点は『造物趣向種』には実際の作り方に関する記述が見られることである。この事は、『造物趣向種』が単に見て楽しむだけの本ではなく、見た人に造り物を作る機会を与える、ハウツー本的要素を備えていたということを示唆している。つまり、ちょうど現在の博物館・美術館が作品制作のワークショップを企画するのと同じように、見るだけではない、造り物への別のアプローチの仕方を『造物趣向種』が提案していた可能性を指摘できるのである（清家三智「見る楽しみから見せる楽しみへ─『造物趣向種』に関する一考察─」より）。
★原装・題簽付・状態良好（小口下部柿渋）。【参考価格（初出品時の相場）：日本の古本屋で、2編1冊（端本）が1】。

カテゴリー	本・雑誌・漫画 > 本 > その他
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