M3022●江戸明治和本●〈見通卜筮〉売卜先生糠俵(前・後編)心学

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●江戸明治和本●〈見通卜筮〉売卜先生糠俵(前・後編)
【判型】半紙本前後2編3巻3冊。縦228・225粍。
【作者】虚白斎(鎌田一窓)作・序。手島堵庵跋。
【年代等】前編:安永6年5月自序、同年6月刊。[京都]炭屋勘兵衛ほか板。後編:安永7年初刊。寛政7年1月再刊。[京都]滄浪舎蔵板カ。
【備考】分類「心学」。本書は売卜先生と相談者との問答形式で綴った道話。前編は、冒頭は縁組の相談に来た女との問答で、親の安堵する縁組は娘の不機嫌、娘の好む縁組は親の気遣いの道理を説き、尽くしても尽くし足りないのが女の孝行であり、親の意見に従うのがせめてもの孝行と諭される。以下、商売替え、定命(じょうみょう)、夢見、生きる楽しみ、借金逃れの駆け落ち、孝行の見返り、紛失した金と猜疑心、鳥目一銭で百病に効く薬、提物(さげもの)の紛失場所、仮の物、珍しき道具(腰の物)、金子(かね)の生る樹の作り方、酒の損益、一文不知の孝行、泰平の世の世渡り、短気と後悔、姑との応対、願掛け、安産と難産、命を縮める宝、弟との義絶、朋友との争い等の道話を展開する。後編は、売卜先生が夢中で蛙や小虫達に「常の道」を説く話から始まり、蟹・田螺・守宮(いもり)・蚯蚓(みみず)・水虫との問答を経て目が覚めると、今度は逼塞で宿替えを迫られた商人に「貧乏を突き出す」ことを諭す。次に、旅立ちの吉日を尋ねた相談者には何事も父母の仰せに任せる志を賞賛し、また、伜を忘れんとする相談者には孝女豊の逸話を交え、忘れて良い事と悪い事を教える。以下、同様の問答で、父親の教育と子供の家職、不実商売、択友、欲と邪路を避ける学問の力、また、療治と渡世、道を知ること、苦にならぬ事を苦にすること、主君の恩と奉公、人は一個の小天地、人の心、学問の力などに言及する。
★原装・題簽付・状態概ね良好(一部小虫)。【参考価格(初出品時の相場):日本の古本屋で、前編安永板1冊が12,~13,。後編2冊が9,】。
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